日本の和食器をもっと身近に!全国各地の伝統的でおしゃれな焼き物

水谷和音 花カップ / 鎬輪花リム皿 4寸

最近の和食器は、今のインテリアにもなじんでくれるような、とてもおしゃれなものばかり。

そんなおしゃれな和食器も、実は焼き物の名産地で作られた伝統技法によって作られたものだったり、地域の特徴的な土を使って作られたものだったりします。

歴史があり、とても奥が深い焼き物の世界!

今回は、和食器入門編として、全国各地の歴史ある有名な焼き物をご紹介します!

関東・東北代表

独創的で自由なデザインの益子焼

栃木県の益子焼。益子陶器市など関東を代表する陶器の名産地として有名です。

益子焼は19世紀中頃に始まったと言われています。

笠間焼にルーツを持ち、日用品の器を多く作っていましたが、昭和初期の民芸運動をさかいに、首都圏に近かった益子は目覚ましい発展をとげました。

益子の土は鉄分と砂気を含み柔らかく粗め。耐熱性も低いため、少し厚手に作られているものが多いです。

また「来るもの拒まず」と言われるほど、自由な風土は国内外の作家たちを集め、多様な作風を生みだしています。
独創的なデザインやバリエーション豊かな益子焼はデザインで選ぶ楽しさがあります。

関東最古の窯場!芸術的でモダンな作風の笠間焼

鯨井円美

茨城県笠間市周辺で作られている笠間焼は、実は関東最古の窯場なのです。

信楽焼の影響を受け日用品の器を作っていたようですが、自由な風土の笠間にはたくさんの才能が集まり、現代ではモダンなデザインの焼き物が溢れています。

笠間の土は粘りが強いので扱いやすく、堅く丈夫に焼き上がります。

笠間焼は「特徴がないのが特徴」とよく言われます。
益子と同じく自由な風土の笠間は、器に限らず多様なデザインの陶磁器が存在します。

おしゃれな日常使いの焼き物は笠間焼で見つかるかもしれませんよ。

北陸代表

華やかで力強い色絵の九谷焼

九谷焼は石川県南部で生産される、色絵が華やかな磁器です。
色絵が特徴の磁器といえば、有田焼と並んで九谷焼を思い出す方もいるのではないでしょうか?

目に飛び込んでくる色鮮やかな絵付けは、日本の油絵とも呼ばれるほど力強い筆のタッチが特徴です。

また、九谷焼の材料の陶石は鉄分を多く含むため、焼き上がり後は少し青みがかった白になり、色絵をさらに美しく引き立たせてくれます。

今はたくさんの若手作家さんが活躍しており、現代の食卓にも合うようなモダンでおしゃれなデザインがたくさん生みだされています。

食卓を食器で華やかにしたいときは九谷焼で探してみるといいかもしれません。

東海代表

多種多様な技術の組み合わせ。革新的な美濃焼

SAKUZAN Sara コーヒーカップ / Sara オーバルプレート M

瀬戸焼にルーツを持ち、岐阜県の自然豊かな風土ではぐくまれた美濃焼は、なんと日本の陶磁器の生産量の約半分を占めています。

美濃焼はさらに多くの作風や種類に分かれ、その中でも「織部焼」「瀬戸黒焼」「黄瀬戸焼」「志野焼」が美濃焼の代表的な焼き物になります。

いびつな造形にインパクトのある絵付け、斬新な釉薬の掛かり。
さまざまな技術を組み合わせて生まれた美濃焼は見れば見るほど味わい深いものです。

今の美濃焼は、現代的なデザインも加わり、さらにわたしたちの食卓に馴染みやすいものとなっています 。

美濃焼なら、他とは一味違った器が見つけられるかもしれません。

「せともの」の発祥。バリエーション豊かな瀬戸焼

東日本では親しみをこめて陶磁器のことを「瀬戸物(せともの)」と呼ぶこともあるそうです。
ちなみに西日本は「唐津物(からつもの)」というそうですよ。

そんな陶磁器の代名詞になるほど根付いている愛知県の瀬戸焼は、日本の代表的な古窯場のひとつ。
中国から陶器の技法が伝えられ生産が始まったのが、瀬戸焼の始まりと言われています。

1000年もの長い歴史の中で作られてきた瀬戸焼は、時代の変化とともにバリエーションを増やしてきました。
高級品として、日用品として、求められるままに変化してきた瀬戸焼は、種類を問わずさまざまな器が並びます。

陶器も磁器もある瀬戸焼は、全国の器の特徴が楽しめます。
自分だけのお気に入りの1枚が見つけられるはず!

近畿代表

土と炎でつくられる芸術的な信楽焼

信楽焼と聞くと、タヌキの置物を真っ先に思いだす方も多いと思いますが、実はタヌキの置物は歴史が浅いようです。

滋賀県で作られる信楽焼も、古くからある窯場のひとつです。
信楽焼の良質な土は、高温で焼き締めることで様々な表情に仕上がります。

焼成中に降りかかった灰が溶け付く自然の釉薬(自然釉)や、陶器の表面に現れる赤いまだら模様など、信楽焼は窯の中で土と炎から作り出される偶然の美しさが特徴です。

また、とても堅く丈夫なので、食器はもちろん傘立てや植木鉢など大きな日用品が多く作られます。

中国・四国代表

硬くて丈夫!赤いたすきが美しい備前焼

備前焼の歴史は古く、こちらも日本を代表する古窯のひとつになります。

岡山県で作られる備前焼の土は良質で、高温にも耐えることができるため、2週間かけしっかりと焼き締めます。
そうすることで、とても堅く丈夫に仕上がるのです。
また窯の中でじっくりと焼くことでさまざまな色や模様が生まれ、独特の美しさを作り出します。

また、備前焼は内部に小さな気孔があり、通気性がいいため花器にすると花もちが良くなり、コーヒーを入れると保温性が増します。

さらに、 ビールを注ぐと泡立ちがきめこまやかになるそうですよ。

九州・沖縄代表

海外にも広まった美しい色絵磁器の有田(伊万里)焼

有田焼は海外の方も知っているほど、有名な焼き物です。

佐賀県発祥の有田焼は、朝鮮人の陶工が日本初の白磁を焼いたことが始まりと言われています。
有田焼はその頃、伊万里港から出荷されていたため、伊万里焼(いまりやき)とも呼ばれます。

有田焼の特徴は、繊細で絵画のような美しい絵付けにあります。
もともと藍一色で、中国的な絵柄が描かれていましたが、時代の移り変わりとともに海外向け・国内向けの高級品として、さまざまな色絵を増やしていきました。

現代では、海外のデザイナーが手掛けたり、有名ホテルが手掛けたりと、有田焼は今も進化し続けています。
もしデザイン性の高い磁器を探すのであれば、有田焼を見てみるのもいいかもしれません。

「焼き物」ってよく知らないと、ただ渋い器を想像してしまいますが、実際は、その土地の風土を生かしながら、わたしたちの求めるものに応じて変化していく、もっともっと身近な存在なんだと感じます。

古くから歴史をつないできた温かみのある焼き物は、暮らしに取り入れることで、生活をさらに、やさしく豊かなものにしてくれるはずです。

みなさんも、自分の生活にあった焼き物を探して、生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?